2017年6月26日月曜日

良かった音楽作品 2016年ベスト(シングル)


毎月紹介している良かった音楽作品の中から「2015年12月~2016年11月購入作品」を対象に、特に良かった作品(10点満点中8.5点以上)をまとめました。



[シングル]


9.5点 VICTOR SANTANA – KI (Hiroshi Watanabe Remix) [CHAVAL] [12inch EP]

自身が主宰する[CHAVAL]レーベルからOrlando VoornLos HermanosKen IshiiEddie FowlkesMark FlashTerrence Dixonなどデトロイトテクノ系アーティストとのコラボシングルやリミックスを収録した作品を中心にリリースするスペインのVICTOR SANTANAの新作で、今作は日本人アーティストHiroshi Watanabeのリミックスを2曲収録した全5曲入りです。
デトロイトテクノを継承するスタイルを軸としたエモーショナルで疾走感のある力強いテクノトラックのオリジナル3曲も高品質ですが、靄がかかったような幻想的な雰囲気を漂わせながら徐々に盛り上がっていく感動的なテクノトラックに仕上がっている「Different Gates (Hiroshi Watanabe Remix)」が特に素晴らしく、隙のない充実した内容のシングルに仕上がっています。












9点 2030 – PRESCIENCE EP [CLFT] [12inch EP]

LxmKaelan名義でもリリースするイタリアのNico Campanellaが、フランスの[CLFT]から2030名義でリリース。
名義によってスタイルを使い分けているアーティストですが、2030名義ではDerrick May直系とも言えるエモーショナルでギャラクティックなデトロイトテクノ、エレクトロを披露しており、今後も特にこの2030名義での作品には期待せずにはいられないハイクオリティな内容です。












9点 HIVER – SOUNDESCENCE EP [CURLE] [12inch EP]

ベルリンの[VIDAB]からもリリースするイタリアのデュオHIVERが、ベルギーの[CURLE]レーベルからの3作目となるシングルをリリース。
ハイクオリティなデトロイトテクノ・エレクトロ作品で、今後も期待せずにはいられない実力を感じる素晴らしい内容です。












9点 HIROSHI WATANABE – MULTIVERSE EP [TRANSMAT] [12inch EP]

Derrick Mayが主宰し、自身の作品以外にも多くの有力アーティストの作品をリリースしてきたデトロイトの老舗レーベル[TRANSMAT]から、KaitoQuadra名義などでも数多くの名作をリリースする日本人アーティストHiroshi Watanabeがリリース。
本作は4月リリースのアルバムからの4曲入りシングルカットEPです。
壮大なコズミックテクノの「The Multiverse」、ドラマチックで流麗な「The Leonids」、ジワジワと繰り返される印象的なシンセフレーズが独特のグルーヴを生み出す「Soul Transitions」、アップリフティングなシンセが繰り返され徐々にビルドアップして盛り上がっていく「Aperture Synthesis」が収録された、ハイクオリティなデトロイトテクノ作品です。












8.5点 CENTRAL – POLITICAL DANCE #1 [DEKMANTEL] [12inch EP]

CENTRAL – POLITICAL DANCE #2 [DEKMANTEL] [12inch EP]


Aeberoなどの名義でも活動し[HELP RECORDING]を主宰するデンマークのNatal Zaksが、アムステルダムの有力レーベル[DEKMANTEL]からCENTRAL名義でシングルを2枚同時リリース。
メランコリックな雰囲気のエレクトロ、ブレイクビーツ、ディープハウス、デトロイトテクノなどのスタイルで表現されたハイクオリティなコズミック・テクノ作品で、2作併せてアルバムのように楽しむことが出来る世界観が構築されています。












8.5点 DEN NARD HUSHER – SENIDA [STROBELIGHT NETWORK] [12inch EP]

Jonas Thor GudmundssonArni Valur KristinssonによるユニットDEN NARD HUSHER17年振りとなるシングルをアイスランドの[STROBELIGHT NETWORK]からリリース。
ダブエフェクトを使用し、繊細な音使いが絶妙な心地良さを生み出す幻想的なディープテクノ作品です。












8.5点 FLABAIRE – MEMORIES FROM OUTER SPACE EP [D.KO RECORDS] [12inch EP]

フランスのRalph MaruaniによるプロジェクトFRABAIREが、自身の[D.KO RECORDS]から2作目となるシングルをリリース。
デトロイトテクノの影響を色濃く感じさせるスペイシーなファンク・エレクトロや、洗練された深みのあるディープハウスが収録され、現段階でのFRABAIREの最高傑作とも言えるクオリティの高い内容です。












8.5点 FRED P – EXPRESSING DARK MATTER EP [REX CLUB MUSIC] [12inch EP]

Black Jazz ConsortiumFP-Onerなどの名義でもリリースするFred PeterkinによるFRED P名義のシングルが、パリの老舗クラブ「Rex Club」がスタートさせたレーベル[REX CLUB MUSIC]からリリース。
高揚感とギャラクティックな情緒に溢れた、美しく力強いディープハウス作品です。












8.5点 IOVAN IORGOVAN – PALOSUL EP [3RD WAVE BLACK EDITION] [12inch EP]

[ALL INN RECORDS][HUDD TRAXX]などからリリースするルーマニアのJay BlissによるプロジェクトIOVAN IORGOVANがドイツの[3RD WAVE BLACK EDITION]からリリース。
ルーマニアン・ハウスのミニマルグルーヴと幻想的なダブテクノの魅力を見事に融合した、新たなスタイルが確立された革新的で高レベルな内容の作品です。












8.5点 JANERET – MIDNIGHT SOUL EP [FINALE SESSIONS] [12inch EP]

KA ONE & ST SENEが運営するフランスの良質レーベル[FLYANCE]の中心アーティストであるJANERETが、多作ながら常に上質なクオリティをキープするUS[FINALE SESSIONS]レーベルからリリース。
[FLYANCE]系のデトロイト風ディープ・テックハウスに加え、ディープ・ダブテクノやエレクトロトラックも収録されており、非常にクオリティが高く充実した内容の作品です。












8.5点 JANERET – SPACE CONQUEST [BERG AUDIO] [12inch EP]

[FLYANCE][FINALE SESSIONS]などの良質レーベルからリリースするフランスのJANERETが、フランスの新興レーベル[BERG AUDIO]からリリース。
ベルリンのDiego KrauseとロッテルダムのBen Buitendijkのリミックスを含む、ハイクオリティなダブ・テックハウス作品です。












8.5点 ROMAR / JANERET – OUTERSPACE EP [RORA] [12inch EP]

[FRYANCE]の中心アーティストでもあり、これまでも[FINALE SESSIONS][BERG AUDIO]からの作品を紹介してきたフランスのJANERETが、スイスのヴァイナルオンリーのレーベル[RORA]を主宰するROMARとの2曲ずつのスプリットシングルをリリース。
ダビーなミニマルハウスというスタイルは両者とも共通していますが、JANERETの方がワンランク上と言えるハイクオリティなトラックを披露しています。












8.5点 JOHN BELTRAN – ISRAEL (Kirk Degiorgio Remix) [SOUL RESEARCH] [12inch EP]

デトロイトテクノ・ハウスの影響が色濃いイタリアの良質レーベル[SOUL RESEACH]から、デトロイトテクノ第2世代として1990年代前半から活動するJOHN BELTRANが再びシングルをリリース。
アンビエントテイストの作品が多いアーティストですが、このレーベルからの作品では哀愁感漂う美しいデトロイトテクノを披露しています。
これまで長きに渡って美しいテクノミュージックを奏で続けているJOHNのスタイルや実力、そしてデトロイトテクノの普遍的な魅力を存分に堪能出来る素晴らしい作品です。
UKのベテランKirk Degiorgioによるリズム性を重視した疾走感のあるリミックスも収録されており、こちらも好内容です。












8.5点 KARIM SAHRAOUI – ALPHA & OMEGA EP [ARTS TRANSPARENT] [12inch EP]

2000年代DJINXX名義を中心にリリースし、近年は本名でのリリースが活発化しているフランスのKARIM SAHRAOUIが、[ARTS]のサブレーベルであるイタリアの[ARTS TRANSPARENT]からは約1年振りとなるシングルリリース。
いつにも増して叙情的な作風が際立つ、感情を揺さぶられる美しいデトロイトテクノ作品です。












8.5点 SEBASTIAN MULLAERT – YOU’RE AN ORCHESTRA IN THE COSMOS (Joris Voorn Remix) [GREEN] [12inch EP]

ユニットMINILOGUEとしても活動するSEBASTIAN MULLAERTが、オランダのJoris Voorn主宰[GREEN]からリリース。
効果的なアシッドシンセでアクセントをつけつつグルーヴをキープするディープ・テクノのオリジナル、オリジナルをダークなテイストに仕上げたBlinkarp名義のリミックス、非四つ打ちのリズムで神秘的で不穏な雰囲気に仕上げられたWa Wu We名義のリミックスに加え、叙情的で高揚感を煽る完成度の高いメロディアス・テックハウスに仕上げられたJoris Voornによるリミックスを収録。
充実した内容です。












8.5点 STEPHEN LOPKIN – MEALL A’ BHUIRIDH [M>O>S DEEP] [12inch EP]

Aroy Deeが主宰するオランダの[M>O>S DEEP] レーベルから2014年にリリースしたEPTHE HAGGIS TRAP」が素晴らしかったグラスゴーのSTEPHEN LOPKINが、再び同レーベルからリリース。
初期デトロイトテクノを彷彿させるコズミックテクノや、Derrick Mayの楽曲を明らかに意識していると感じさせるリズムと感傷的でエモーショナルなシンセが特徴的な作風は健在で、今作も高いクオリティがキープされた充実した内容です。












8.5点 STEPHEN LOPKIN – THE STRATEGIC STEAM RESERVE [TITANIC CITY] [12inch EP]

以前紹介した[M>O>S DEEP]からの2作品が素晴らしかったグラスゴーのSTEPHEN LOPKINが、UK[TITANIC CITY]からリリースした新作です。
シカゴハウス、デトロイトテクノをルーツとする感傷的な作風とクオリティの高さは健在で、[M>O>S DEEP]からの作品と比べるとテクノよりハウス色が強い内容になっています。












8.5点 V.A. – BIG AND TALL EP [SOUL PRINT] [12inch EP]

これまでにLIFE RECORDERBRIAN HARDENの作品をリリースするセルビアの新興レーベル[SOUL PRINT]からの5曲入りコンピレーションシングルです。
スイスのAllstarr Motomusic、日本のTominori Hosoya、マルタのOwen Jay & Melchior Sultana[UNDERGROUND QUALITY]などからリリースするスペインのDiego Gamez、セルビアのPetkovskiという5組のアーティストが、いずれも劣らぬ高品質な透明感のある美しいディープハウストラックを披露しており、この作品自体も素晴らしいですが、レーベルとしても今後のリリースへの期待と信頼感の大きさを感じさせてくれる内容のシングルとなっています。

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