2013年12月28日土曜日

良かった音楽作品 2013年11月購入分



購入した音楽作品の満足度10点満点中7.5点以上の作品を紹介します。






[アルバム]






8.5点 SPECIAL REQUEST – SOUL MUSIC [HOUNDSTOOTH] [2CD]


[2020 VISION][PLANET E]レーベルなどからもリリースするUKPAUL WOOLFORDによるベースミュージック・プロジェクトSPECIAL REQUEST名義による初のアルバムです。
もともと変則的でオリジナリティのあるトラックを作るイメージが強かったアーティストなのですが、このアルバムは、90年代初期の勢いのあったテクノ(レイヴ、ハード・コア、ブレイクビーツ・ジャングルなど)を現代流のアンダーグラウンド・ミュージックとして再構築したような内容です。
こういうジャンルが特に好きなわけでもないので普段そんなにチェックはしていないのですが、このアルバムは繊細とワイルドのバランスが絶妙で、何回聴いても飽きないオリジナリティを感じます。










8点 V.A. – IN THE BACK : DETROIT IS BACK [STILL MUSIC] [2CD]


まだあまり知られていない、才能溢れるデトロイトのアーティストを紹介するというコンセプトによって集められた楽曲で構成された、シカゴの[STILL MUSIC]レーベルの2枚組コンピレーション。
かなり良い曲とそうでもない曲がありますが、個人的にはALEX ISRAELD.L.JONESの曲が特に好みで、才能を感じます。
 








7.5点 L.B.DUB CORP – UNKNOWN ORIGIN [OSTGUT TON] [CD]


UKテクノの重鎮LUKE SLATERによるL.B.DUB CORP名義での初のアルバムです。
主要名義のPLANETARY ASSAULT SYSTEMSでのハード・ミニマルとは違い、ダブ・テクノやシカゴハウス・デトロイトテクノ志向の強い内容になっています。
アルバムのハイライトと言える「Generation to Generation」という曲は、ルークからのデトロイトテクノへの返答のように感じる、美しくて力強い名曲です。









7.5点 DEETRON – MUSIC OVER MATTER [MUSIC MAN] [3LP+CD]


良質なテックハウスを長きに渡ってリリースし続けているスイスのDEETRO7年振りとなるセカンドアルバムです。
コラボレーション豊富なボーカル重視で安定感のある内容です。














7.5点 HOT SINCE 82 – LITTLE BLACK BOOK [MODA BLACK] [CD]


イングランドのDALEY PADLEYによるプロジェクト、HOT SINCE 82による初のアルバムです。
他アーティストをリミックスしたトラックも交えた、グルーヴィーなディープ・テックハウスのノンストップミックス仕立ての作品集で、曲単位よりも全体の流れを楽しむテイストのアルバムになっています。









[シングル]







8点 DEEPCHORD – PRANA / TANTRA [SOMA] [12inch EP]


BASIC CHANNEL以降のダブ・テクノシーンの最高峰と言える存在である、デトロイト在住のDEEPCHORDによる新作。
バウンシーで力強いリズムにエレガントなシンセが煌くフロア向けのダブ・ミニマルです。
限定ピクチャー盤で、レコード盤もとても美しい。















8点 STAFFAN LINDBERG – Y2K EP [DOLLY DUBS] [12inch EP]


STEFFIが主宰するドイツの[DOLLY]レーベル傘下の[DOLLY DUBS]レーベルから、スウェーデンの新鋭STAFFAN LINDBERGによるシングルです。
DERRICK MAYを彷彿させる、初期デトロイトテクノスタイルを継承したマシン・ソウルで、クオリティが非常に高く、今後が楽しみなアーティストです。

















7.5点 BRAD PETERSON – THE PERIMETER EP [HOTMIX] [12inch EP]


デトロイトの[MOODS & GROOVES]レーベルからリリースされたシングルも素晴らしかったBRAD PETERSONが、SIMONCINO主宰のフランスの[HOTMIX]からリリースした新作。
ギャラクティックでエモーショナルなテクノトラックです。
















7.5点 DEEPA & BIRI – EMOTIONS,VISIONS,CHANGES [GIGOLO] [12inch EP]


DERRICK MAYが推しているイスラエルのアーティスト、DEEPA & BIRIDJ HELL[GIGOLO]レーベルからリリースした新作。
繊細な音使いが心地良い、エモーショナルなディープ・テックハウスです。






2013年12月9日月曜日

良かった音楽作品 2013年10月購入分


購入した音楽作品の満足度10点満点中7.5点以上の作品を紹介します。




[アルバム]





9点 KAITO – UNTIL THE END OF TIME [KOMPAKT] [CD]


日本人アーティスト、ヒロシ・ワタナベのKAITO名義による4枚目のアルバムです。
メランコリックで繊細なエモーショナルな楽曲はこれまで以上に成熟して深みを増した感があり、ディープかつメロディアスな孤高の世界観を見事に作り上げています。
先行シングルでリリースされていた「Run Through The Road In The Fog」と「Behind My Life」も、アルバムの流れの中で聴くとその存在感や必要性がより明確に見えてきます。
テクノミュージックの持つ美しさと温かさが究極に追求されたという印象を受ける、とても素晴らしいアルバムです。









8点 SVEN WEISEMANN – INNER MOTIONS [MOJUBA] [3LP+CD]


高品質なディープハウス作品をリリースするドイツの[MOJUBA]レーベルの中でも、際立ったセンスと才能を見せつけているSVEN WEISEMANNのセカンドアルバムです。
クールで浮遊感のある奥行きと深みを味わえるアンビエント・ダブ・ハウスで、聴けば聴くほど、淡く幻想的な世界観に入り込み陶酔させられます。









[シングル]


7.5点 SDC – CORRELATION EP [CLONE ROYAL OAK] [12inch EP]


アイルランド出身、JACK HAMILLによるプロジェクトSPACE DIMENSION CONTROLLER(略してSDC)の新作です。
[R&S]レーベルからリリースされたアルバムではエレクトロ、コズミック・ハウス、シンセファンクなどの多様な音楽性を披露していましたが、このEPはテクノ寄りで、デトロイトテクノやエレクトロ・ディスコなどの要素を上手く咀嚼し、独自のスタイルとして完成させているロマンティックな作品です。








7.5点 TAKUYA YAMASHITA – DAYBREAK (Mirko Loko Remix) [CADENZA] [12inch EP]


FUNK’D VOID主宰の[OUTPOST RECORDINGS]からリリースされていた日本人アーティストTAKUYA YAMASHITAの「DAYBREAK」を、[CADENZA]MIRKO LOKOがリミックスした作品です。
デトロイトテクノの影響を感じさせる幽幻で美しいオリジナルのメロディは残しつつ、変則的でパーカッシヴなリズムを用いたエレクトロニカ・ハウスに仕上がっています。
(動画はオリジナルヴァージョンです)








7.5点 EVIGT MORKER – 1 [EVIGT MORKER] [12inch EP]


ストックホルムのKARL LIHAGENによる新たなプロジェクトEVIGT MORKERの1作目です。
幻想的で心地良い雰囲気を漂わせるクールなディープ・ミニマルトラックです。








7.5点 SUPER PUBLIC – MORE THAN A MARATHON [CHAMBRAY] [12inch EP]


流麗で透明感のある美しいピュア・テクノ作品です。
よく知らないアーティストですが、10年以上のキャリアがあり、2011年にデトロイトで制作されたものらしいです。
レベルの高いデトロイト・フォロワーだと思うので、今後もリリースがあれば作品を聴いてみたいです。




2013年11月12日火曜日

良かった音楽作品 2013年9月購入分



購入した音楽作品の満足度10点満点中7.5点以上の作品を紹介します。




[アルバム]






8.5点 IAN O’BRIEN – I WAS THERE 1995-2000 [IAN O’BREIN PRODUCTIONS] [CD]


ここ2作のアルバムでは完全にジャズ・フュージョン路線へとシフトしているイアン・オブライアンが、デトロイトテクノ、特にURRed PlanetHi-Tech Jazz)の影響を色濃く反映させていた頃の未発表曲や未発表バージョンをまとめた作品。
個人的に、URHi-Tech Jazz」の最も正統的かつ最もハイクオリティなフォロワーはこの頃のイアンだと思っており、このアルバムは、自身のルーツであるジャズやファンクの要素をエモーショナルなテクノミュージックへと見事に昇華させた楽曲が十分に堪能できる素晴らしい内容になっています。











8点 LOS HERMANOS – DESCENDANTS OF THE RESISTANCE [GMI PRODUCTION] [CD]


GERALD MITCHELLを中心に、URのスピリットを受け継ぎ、デトロイトテクノにラテン、ソウル、ジャズ、ファンクなどの要素をふんだんに取り込んで進化を試みるプロジェクト、LOS HERMANOSの6年振り3枚目となるアルバムです。
 [UR](アンダーグラウンド・レジスタンス)が「メジャーへの反逆」をコンセプトに端を発し、ハードでシリアスなテクノミュージックを作り続ける過程で、徐々に「質が高く、ソウルフルなダンスミュージック」への比重が強くなっていったのですが、LOS HERMANOSの音楽はその延長線上に存在すると言っていいと思います。
今作はこれまでになくポップで、ブラックミュージック色が強く出たファンキーな内容になっています。















7.5点 KIRK DEGIORGIO – SAMBATEK [FAR OUT] [CD]


90年代から近年に至るまで、デトロイテクノの影響を色濃く感じさせる質の高い作品をリリースし続けているUKテクノの重鎮カーク・ディジョージオのニューアルバム。
「伝統的なブラジリアン・パーカッションと最先端のテクノの衝突」というコンセプトらしく、僕は別にサンバのリズムが好きなわけではないのでそれほど期待していませんでしたが、思ってたほどサンバではなく、パーカッシヴでリズムのしっかりしたテクノトラックにいつものカークらしいテイストがスパイス的に加味されているという印象です。



















7.5点 LAWRENCE – FILMS & WINDOWS [DIAL] [CD]


ドイツのPETER KERSTENによるソロプロジェクトLAWRENCEの5枚目のアルバム。
繊細で穏やかなメロディと、浮遊感のある叙情的な深みがマッチした、アンビエントテイストなディープハウス。
音数少なめで派手な展開のない一定のグルーヴをキープした美しい作品世界に陶酔させられます。












[シングル]




8.5点 ONIRIS – LET US FIGHT / BETTER DAYS [ASTROPOLICE] [12inch EP]


 
フランスの新興レーベル[ASTROPOLICE]から、URに大きな影響を受けたという新鋭ONIRISがリリース。
アップリフティングで壮大に展開する、ドラマチックでメロディアスなテックハウストラックで、非常にクオリティが高いです。
今後が楽しみな素晴らしい新鋭が出てきました。

















8点 BOO WILLIAMS – PLEASANT DREAMS EP [CHIWAX CLASSIC EDITION] [12inch EP]


シカゴの重鎮BOO WILLIAMSの過去作品をリマスターしてまとめた作品。
ジャジーで上質なディープハウスです。













8点 JORIS VOORN – RINGO [GREEN] [12inch EP]

Incident」のヒットで知られ、これまで数多くの名曲を残してきたオランダの才人JORIS VOORN。ここ数年はファンキーなディスコ・テック作品を[REJECTED]レーベルからリリースすることが多かったのですが、5年振りに自身主宰の[GREEN]レーベルからリリース。
今作は、セカンドアルバム『From A Deep Place』の頃のようなセンチメンタルで美しい旋律を奏でるエモーショナルトラックに仕上がっています。
ボイスサンプルや音の絶妙な抜き差しが冴え渡るファンキーなバージョンも収録されており、さすがと改めて認識させられるクオリティの高い内容です。














8点 TAKUYA MATSUMOTO – SIDE BY SIDE STEP EP [IERO] [12inch EP]

新潟発のアンダーグラウンドレーベル[IERO]から、前作「Drafting Under The Stars」も素晴らしく、海外でも高い評価を得ているTAKUYA MATSUMOTOの新作です。
ジャジーでソウルフルな上質のビートダウン・ハウストラックで、オリジナリティとクオリティの高さに脱帽せずにはいられません。









7.5点 DJ STEAW – WEST SIDE EP [RUTILANCE] [12inch EP]

注目フレンチ・ディープハウサーDJ STEAWによる自身のレーベルからのシングル。
90年代USハウスから影響を強く感じさせながら、ジャズやアシッドの要素をブレンドし、ディープとファンキーの絶妙なバランスを保ったレベルの高い内容です。











7.5点 KIRK DEGIORGIO & BEN SIMS – STRIKE [MACHINE] [12inch EP]
 

UKテクノアーティストの重要人物二人によるレーベル[MACHINE]からのスプリットシングル。
ベンによる「STRIKE」、「STRIKE」のカークRemix、カークによる「Guardian Angel」の3曲が収録されていますが、URや初期のIAN O’BRIENを彷彿させるメロディアスなハイテック・ソウルナンバー「Guardian Angel」がダントツでかっこいいです。














7.5点 TERRENCE PARKER – FINALLY [PLANET E] [12inch EP]

デトロイトハウスの重鎮TERRENCE PARKERCARL CRAIG主宰[PLANET E]レーベルからリリースした新作。
CARL CRAIGLOUIE VEGAによるリミックスも収録されている、ソウルフルな女性ボーカルが映えるオーソドックスで良質なハウストラックです。





2013年10月22日火曜日

良かった音楽作品 2013年8月購入分


購入した音楽作品の満足度10点満点中7.5点以上の作品を紹介します。







[BD、DVD]


9点 電気グルーヴ 人間も動物 [Ki/oon] [BD+2CD]




「ツアーパンダ 2013」のZepp DiverCityで行われたライヴとツアードキュメントが収録されており、それぞれ副音声(メンバーによる雑談)も収録。
最新アルバム『人間と動物』の全収録曲に加え、初期から近年までの代表曲をバランス良く配置した充実のセットリストと、二人の顔を使用したプロジェクションマッピングや照明で視覚的にも楽しめる内容になっています。
映像で観ることができる電気の個人的ベストライヴは、20003月のツアーツアーのZEPP大阪のライヴ(スカパーで生中継されて非ソフト化)なのですが、ソフト化されているライヴの中では今作はボリューム感とバランスが良く、雑談も充実しているので一番好きです。
昔に比べると、ステージでの瀧の存在感が薄くなっているのが少し寂しいですね。





 

[アルバム]


7.5点 GIORGIO LUCERI – VOICES IN MY HEAD [MATHEMATICS] [2LP]


良質作品のリリースが多いシカゴの[MATHEMATICS]レーベルから、イタリアの新鋭GIORGIO LUCERIのファーストアルバム。
オールドシカゴからの影響を色濃く感じさせつつも、ディープハウス、エレクトロ・ディスコ、バレアリック・ディスコ、幻想的なアンビエントなど、様々なスタイルでトータルバランスに優れたロマンティックな世界観を作り上げています。





 

 

[シングル]


8点 CASEY TUCKER – KNOE 2/1 [FOR THOSE THAT KNOE] [12inch EP]


ロンドンの[BOE RECORDINGS]が「埋もれたアーティストや未発表音源をリリースする」というコンセプトで始動した[FOR THOSE THAT KNOE]レーベルの2作目(1作目はJAMIE READ)。
UKCASEY TUCKERというアーティストが9697年にリリースした曲と未発表曲が収録されているのですが、アシッドシンセとデトロイトテクノを絶妙に融合させたクオリティの高い内容で、全く古さを感じません。









8点 IAN O’DONOVAN & MADBEN – DUAL EP [ELECTRONICAL REED] [12inch EP]


[BEDROCK]レーベルでデビューして以来ハイクオリティな作品を連発し、今後の活躍を大いに期待しているアイルランドのアーティストIAN O’DONOVANと、フランスの新鋭MADBENとのコラボシングル。
IANのいつもの作風通り、壮大でドラマチックなエモーショナルテクノで、質の高い内容です。









8点 SRAUNUS – ASPERRATUS CLOUDS [ZIK] [12inch EP]


フランスのダブテクノレーベル[ZeECc]のサブレーベル[ZIK]からの、リトアニアのSRAUNUSの新作。
BASIC CHANNEL~DEEPCHORD/ECHOSPACEの系譜を継承する、クオリティの高いディープ・ダブ・テクノ。
このシングルが素晴らしかったので、同時リリースだったアルバムも購入しました(後日紹介するかもしれません)。














8点 PLANT43 – THE SENTIENT CITY AWAKENS [SEMANTICA] [12inch EP]


スペインのアンダーグラウンドレーベル最先端[SEMANTICA]から、イギリスのEmile FaceyによるプロジェクトPLANT 43の新作。
KRAFTWERK的なエレクトロを基調とし、デトロイトエッセンスを加味した非常にレベルの高いディープ・エレクトロ。
同レーベルからの前作より明らかにクオリティが増しており、今後も期待したいアーティストです。














7.5点 DAVID HATTON – REALIZATION [ELECTRONIC PURE SOUND] [12inch EP]


フランスの新鋭DAVID GATTONによる作品。
デトロイトテクノの影響を強く感じさせる感傷的な音色を多用した、軽快なピュアテクノトラック。
Arne Weinbergあたりの作風に近いでしょうか。









7.5SABRE – BALI / GING [TASTEFUL NUDES] [12inch EP]


ポルトガルの新鋭デュオSABREによる、シカゴの新興レーベル[TASTEFUL NUDES]からの新作。
ガムランの音色を使用したエキゾチックでソウルフルなエモーショナルテクノ「Bali」と、アシッドテイストのコズミックハウス「Ging」を収録。














7.5点 TODD TERRY – REMIXES [TOOLROOM] [12inch EP]


ニューヨークハウスの重鎮TODD TERRYの過去作品のリミックスを4曲収録したシングル。
オリジナルの印象的なフレーズを残しつつ、メリハリの効いたファンキーなテックハウスに仕上げた「Jumpin」のIBAN REUSによるリミックスが好内容。
IBAN REUS[WITTY TUNES]からのシングルも良かったし、今後楽しみなアーティストです。