2013年8月25日日曜日
「良質な作品」と「面白い作品」は別物
エンターテインメント作品において「良質な作品」と「面白い作品」というのは混同されがちだと思うのですが、僕は全く違うと考えます。
「良質な作品」、「良質ではない作品」という表現は客観的な解釈であるべきで、ある程度誰に説明しても理解されるべき表現なのに対し、「面白い」、「面白くない」というのは完全に主観的であるべき表現だと思います。
例えばスポーツにおいて「良質な試合」というのは、「素晴らしいプレイが多く、ミスが少なく、反則のない試合」であると説明できます。
しかし、それが「面白い試合」と言えるかどうかは全く別次元の話になるというのは理解することができるはずです。
では、エンターテインメント作品における「良質な作品」、「良質ではない作品」の基準は何なのかと考えると、明確な答えは出てきません。
ただ、少なくとも「これは良質ではない作品だ」と語る場合、不特定多数の人を納得させる理由が必要になります。
自分の感情ではなく、客観的な事実が必要になります。
凄く極端な例で説明すると、映画やドラマなら、「冒頭で両足を大怪我して歩けなくなった人物が、同じ日の一時間ほど経過した場面で普通に歩いている」などです。
あとで「実は物凄く効く薬が開発されていて、それで治った」とかの説明が出てくればもちろん問題ありませんが、足が治っていることに関して何の説明もなければ、それは「良質ではない作品」だと言えるし、その理由も多くの人に理解してもらえるはずです。
ただし、この場面を見て「面白くない作品だ」と思う人もいれば「面白い作品だ」と思う人もいるはずなのです。
それは人によって笑いのセンスやリアルとフィクションの許容範囲というものが異なるので、この事象を人が面白いと思うか不満に思うかは客観的には計り知れないことなのです。
しかし、たとえこの作品を面白いと思う人が多かったとしても、この作品は「良質な作品」ではないということは言える。
これが「良質な作品」と「面白い作品」は別物だと考える僕の見解です。
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