2015年3月24日火曜日

良かった音楽作品 2014年ベスト


毎月紹介している良かった音楽作品の中から「2013年12月~2014年11月購入作品」を対象に、特に良かった作品(10点満点中8.5点以上)をまとめました。
主にデトロイトテクノ、テクノ、テックハウス、ディープハウスなどのクラブミュージック作品をチェックしています。




[アルバム]



9点 LIONEL WEETS – STELLAR ORCHESTRA [MOTECH] [CD]

カナダのGreg Gow主宰の[RESTRUCTURED]レーベルからもリリースするベルギーのLIONEL WEETSが、DJ 3000主宰の[MOTECH]からリリースしたアルバム。
URやロス・ヘルマノス系のコズミック・ジャズ・テクノや、[MOTECH]レーベルらしい疾走感のあるパーカッシヴなリズムにエモーショナルなシンセを絡めたトラックなど、デトロイトテクノの意思とエッセンスを受け継ぎ、ハウスではなく、あくまでテクノとして昇華させた非常にクオリティが高い大傑作アルバムに仕上がっています。
デトロイトテクノファンにとっては、今後も期待せざるをえない素晴らしい才能が現れました。
















9点 INTRUSION – THE SEDUCTION OF SILENCE [ECHOSPACE] [2CD]

デトロイトのダブ・ミニマルユニットECHOSPACEのメンバーStehen HitchellによるINTRUSION名義の2008年にリリースされたアルバムのリマスター盤で、オリジナルの10曲に加え、未発表曲とライブ音源を9曲追加収録した2枚組アルバム。
Basic ChannelRhythm & Soundの系譜の深みのあるダブ・ミニマル作品としてはトップクラスと言ってもいい、充実した内容とクオリティのアルバムだと思います。














9点 TERRENCE PARKER – LIFE ON THE BACK 9 [PLANET E] [3LP]

デトロイトハウスのベテランTERRENCE PARKERがCarl Craig主宰の[PLANET E]からリリース
した3枚目のアルバム。
ソウルフルでエモーショナルな王道デトロイトハウスですが、シングル化された「FINALLY」や「SAVED FOREVER」だけでなく、1つ1つの曲のクオリティが非常に高く、隙のない優れた完成度を誇るアルバムになっています。















8.5点 MATOM – LOVE MISTAKES [PLANET E] [2LP]


Carl Craig主宰デトロイトの老舗[PLANET E]レーベルからリリースされた、Radio SlaveCagedbabyによるユニットMATOMのファーストアルバム。
生楽器を多用したディープ・ジャズ・テクノという趣のある作品で、緻密に作りこまれたリズムと実験的で研ぎ澄まされた音響が独特のグルーヴを生み出していて、深い音世界に迷い込みトリップするような感覚を味わえる素晴らしい内容です。














8.5点 YAGYA – SLEEPYGIRLS [DELSIN] [3LP]

アイスランドのYAGYAの5作目のアルバムがオランダの名門[DELSIN]レーベルからリリース。
インスト曲と女性日本語ボーカル曲を織り交ぜ、美しい情景が思い浮かんでくるような幻想的で艶やかな、色気のある上級のアンビエント・ダブ・ミニマル作品になっています。
全編ボーカルをフィーチャーしていた前作『THE INESCAPABLE DECAY OF MY BEART』も素晴らしかったし、凄くお気に入りのアーティストになりました。















8.5点 HARDFLOOR – THE ART OF ACID [HARDFLOOR] [2LP]



注:CD盤に収録されている10曲が、アナログ盤では2LP『THE ART OF ACID』(8曲)と12inch EP「TWEAKEND / NECESSARY ROUGHNESS」(2曲)に分かれているので、ここでは12inch EP収録曲の方も加えた10曲分をアルバムの評価の対象としています。


一貫した独自のスタイルを壊すことなく、ここ2作のアルバムを更に洗練させた職人芸と言える内容で、特に「Analogue Bubbletea」という曲が全盛期の雰囲気を感じさせつつ、荒々しさと繊細さのバランスが絶妙に保たれたかっこいいアシッド・テクノ。
オリジナルアルバムとしては今作は1stに匹敵する完成度だと思います。































[シングル]




9点 FABRICE LIG – NO JUDGMENT (feat. Ann Saunderson) [PLANET E] [12inch EP]

これまでもデトロイトテクノフォロワーの最高峰と言ってもいいくらい素晴らしい作品を数多くリリースしてきたベルギーのFABRICE LIGが、CARL CRAIG[PLANET E]レーベルからリリース。
タイトル曲は同レーベルからリリースされるアルバムからのシングルカット(アルバムとは別バージョン)で、Ann Saundersonをボーカルに迎えた伝統的なデトロイトハウストラック。
アイルランドのIAN O’DONOVANとフランスのLAURENT MALDOJULES WELLSによるリミックスが収録されており、ピアノリフを導入した後者のリミックスが特に素晴らしいです。
そしてアルバム未収録でこのシングルのエクスクルーシヴトラックである「Joker Dog」は、エモーショナルな旋律とアッパーな展開で盛り上げるフロア向けスタイルの圧倒的な完成度を誇っています。


フルで試聴はこちらで出来ます。















9点 STEPHEN LOPKIN – THE HAGGIS TRAP [M>O>S DEEP] [12inch EP]

オランダの名門[RUSHHOUR]の系列、Aroy Dee主宰の[M>O>S DEEP]レーベルから、グラスゴーのSTEPHEN LOPKINの作品。
重厚なアシッドテクノのA1、明らかにDerrick Mayの楽曲を意識していると感じさせるリズムと感傷的でエモーショナルなシンセが飛び交うA2、煌びやかな音色が幻想的に響くコズミック・テクノのB2など、非常にレベルの高い曲が揃った名作です。
















8.5点 VICTOR SANTANA – HEAD WAY (Eddie Folkes & Mark Flash Remix) [CHAVAL] [12inch EP]

これまでもLos HermanosOrlando VoornTerrnce Dixonなどのデトロイトテクノアーティストとのコラボやリミックス作品をリリースしてきたスペインの[CHAVAL]レーベル新作で、今作はEddie Folkes  Mark Flashをリミックスに起用。
Victor SantanaによるオリジナルもUR系デトロイトテクノで良いですが、アシッドベースを使い、[RED PLANET]の「Firekeeper」あたりを彷彿させる壮大なストリングスで盛り上げるEddie Folkesのリミックス、「Jaguar」を彷彿させるエモーショナルシンセを使ったMark Flashらしいリミックスがともに素晴らしいです。
この作品で10作目ですが、[CHAVAL]レーベルの存在価値はどんどん高まっていますね。

















8.5点 DARK SCIENCE – RAIN [REJECTED] [12inch EP]

[SINO]や[GREEN]などから数多くの名曲をリリースしてきたオランダのJORIS VOORNが、久々となるDARK SCIENCE名義で自身の[REJECTED]レーベルからリリース。
力強いリズムトラックに、カットアップされたボイスサンプルやジャジーなエレピとサックスが響くファンキーなテックハウスの「Rain」と、ファンキーなボイスサンプルとレイブ感溢れるブレイクに思わず体が揺れ動いてしまう「Rust」を収録。
確立されたオリジナリティとクオリティの高さに、改めてJORIS VOORNのセンスと格の違いを実感させられる素晴らしいシングルです。













8.5点 CVO – NOLOGOY YEAR 6 THOUSAND [STRICTLY JAZ UNIT] [12inch EP]

シカゴの重鎮GLENN UNDERGROUNDの、自身のレーベルからCVO名義での新作。
力強いビートでスピリチュアルなディープハウスの「Nologoy Year 6 Thausand」と、美しいピアノのストリングスとアシッドベースの組み合わせが見事なジャジー・ディープハウスの「Summer of Love」を収録。
「Summer of Love」は屈指の名曲です。

























8.5点 THIRD MAN – SEVEN 02 [CHAVAL] [12inch EP]

KIRK DEGIORGIOの[A.R.T.]レーベルからの作品の内容の良さが際立っていた、イギリスの新鋭THIRD MANがスペインの[CHAVAL]レーベルからリリース。
メロディアスで疾走感のある作風のイメージが強かったのですが、今作はシカゴ・アシッドテイストの力強い「Gliese」や、構成のクオリティが圧巻な「A R」などこれまでにない魅力が垣間見え、アーティストとしての実力の高さと幅の広さを印象づける内容になっています。







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